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■当サイトは既婚女性を中心に描いている連続長編の官能小説サイトです■性的な描写が多く出てくる為18歳歳未満の方の閲覧はご遠慮下さい■

登場人物に関するアンケート

過去の登場人物に関するアンケートです。
今後の展開や登場人物の出演機会などの
参考にさせていただきたく思っております
ので是非ご協力お願い致します。

今皆様のご協力くださったアンケート結果を
再確認しておりまして1番最初のアンケートに
ご協力くださった方の中に第1章の剛田の回想
シーンに登場した三島香織をその他の欄で投票
して下さった方が居て驚きました。
後はスナック夜顔の草薙薫子とか・・
せっかくの読者の方々のご意見ですので
香織にも是非何とか今後登場の機会を
設けたいと思います。
住居が私が描いている町は関西の設定で
剛田が最初に香織と出会ったのが首都圏
なので少し時間がかかると思いますし
何章での登場になるかは解りませんが
投票して下さった方ありがとうございました。



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第8章 41話 三つ巴 抵抗!抵抗!そして唯一出来る攻撃!

【第8章 41話 三つ巴 抵抗!抵抗!そして唯一出来る攻撃!】

「画伯。かけて・・」

顎を引き、強い意志をその可憐な顔に宿したスノウが画伯こと北王子公麿にそう言いながら頷いた。

画伯から視線を移し、所長である菊沢宏にもグラサン越しに視線を合わせ頷く。

「わかりました」

スノウこと斎藤雪の短い言葉だけで理解した表情の画伯こと北王子公麿も、短くそう答えスマホを操作しだす。

画伯に、いつものひょうきんな様子はない。

黙っていればこの北王子公麿も秀才風の容貌で相当なイケメンである。その彼が、シリアスな顔のままコールボタンを押した。

ほんのしばらくの間を置いて穏やかな洋楽のメロディが流れ出す。

林の向こうにぼんやりと灯りをともしている洋館に向かって、着信音の流れるスマホを向け、スノウは林の暗がりに佇む洋館・・、いや、その洋館の中でいるはずの百聞の菊沢美佳帆に向けた。

What a day,what a day to make it through….
What a day,what a day to take to…

ほぼ暗闇のなかで美佳帆のお気に入りの洋楽のメロディが一通り鳴り終わると、スノウはスマホを下ろし、林の向こうに薄ぼんやりと佇んでいる洋館に向かって、美佳帆に語り掛ける。

「美佳帆さん・・!来ました!・・聞こえてますか?!」

スノウのかなり大きめの声に、少しだけ慌てた加奈子がピクリと反応するが、哲司が片手を上げて制止する。

スノウは洋館のほうに向かい声量を変えずそのまま続ける。

「きっと・・聞こえているはずですよね?!美佳帆さん・・。所長、哲司・・画伯、アリサ、私・・稲垣加奈子さんで来ています。いまから所長と哲司さんが突入します。・・・美佳帆さん・・備えてください・・!」

「遅うなってすまん!美佳帆さん・・!無事でおってくれよ!」

スノウが言い終わるが早いか宏が待ちかねたようにそう言うと、洋館を隔てるようにして群生している木々に向かって走り出した。

「ほな・・アリサ、稲垣さん・・。打ち合わせ通りに頼むで。行ってくるさかい」

「任せて!」

「わかってると思うけど・・慎重にお願いね」

哲司のセリフにアリサと加奈子が短く答え、北王子とスノウも力強く頷いた。

哲司も力強く頷き返すと踵を返して駆け出し、群生している木々の中を縫うようにして走って宏の後を追って行った。

「・・・無事だといいんですけどね」

二人の姿が見えなくなったところでポツリと公麿が呟いた。

「ええ・・」

公麿の呟きに少し間を置いてスノウがようやく反応する。

自身が囚われていた時に、敵から受けた数々の凌辱が脳裏をよぎり華奢で可憐な横顔には憂いの表情が広がっていた。

「・・・中はともかく・・・今のところ周囲に人の気配はないわ。対象の出入口は2か所。裏口はこのままここから監視できるから、正面の方は私がまわる。小さい建物だし何かあっても秒で戻れるから・・。何かあったらコールして?・・・正面に向かうついでに敵の足(車)も潰しておくから。どう転んでもここで橋元とは決着よ」

持っていたバッグを地面に置きジッパーを大きく広げ、通信機器をポイポイとメンバーに渡している加奈子に車内で見せていた表情はなく、チリチリと緊迫した様子が伝わってくる。

「メガネさんとスノウさんは建物を警戒してて?アリサさんはその二人の背後と周囲を警戒・・。いいかしら?」

加奈子が立ち上がって手首をコキコキと鳴らしながらそう言うと

「メガネって・・僕のことは公麿とお呼びください。しかし、承知しました」

「ええ・・。加奈子さんのほうこそ正面のほうで一人になってしまいますけど大丈夫ですか?」

「わかったわ・・公麿。お願いね」

と北王子に鋭い表情のまま短くお願いすると、加奈子はスノウに向き直る。

スノウのことは真理から聞かされてる。

敵に捕らわれ何日にも渡ってレイプされていたと・・・。

引き締まってはいるが、およそ戦闘向きではない体格と筋肉・・。しかし、両手で鉄扇を握りしめている姿と表情が意思の強さを感じさせる・・。

さぞかし悪党どもには気に入られてしまいそうだ・・。

スノウの身体能力や情報特化の能力、華奢で可憐だが意思の強さを表す目・・。

(この華奢な身体で何日も凌辱を・・・!・・私が乗り込んで暴れたくなるわ・・)

年上であるスノウに対し、多少失礼かとは思ったが、女である加奈子からみても、スノウこと斎藤雪は可憐過ぎた。

加奈子はスノウの両肩に優しく手を添えると、

「スノウさん。敵が来ないとも限らないの。公麿とスノウさんは自分自身の安全を最優先で考えて。治療係が居てこそ私達は無茶できるんです」

「ええ。わかってます。稲垣さん・・。警護のほうお願いしますね。とってもお強いって聞いてます」

一瞬驚いたような表情を見せたスノウは、加奈子に向かって笑顔を向けて答え、その笑顔に加奈子はサムズアップと笑顔を返した。

「じゃあ私行くね。もし何かあったら呼んで」

耳に付けている通信機を人差指でトントンと叩きながら、そう言うと加奈子は気配を消した。

目の前で視認できるというのに加奈子の存在が虚ろになる。

加奈子は膝を曲げ、腰を落として身体を丸めると、地面にたまっていた落ち葉を少しだけ巻き上げ、林の木に向かって跳躍するとすぐに木々に阻まれて姿は見えなくなった。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

宏達が到着する1時間ほど前・・・。

写真撮影などもする為、建物の外観から洋風でお洒落な普請となっているスタジオ野口の撮影室では、屈服した美佳帆を更に追い詰める宴が続いていた。

「ああ!!も・・もう!許して頂戴!・・休ませて!!」

「がははは!まだまだ私が逝くまで全然まだですわ!・・それに引き換え美佳帆さん?まったく貴女というお人は・・・いったい何度気をやればすんむでっか?・・ご結婚もされるちゅーのに、なんちゅうだらしないマンコなんですか?」


橋元の下卑た笑い声とセリフに、周りの男優たちも声を上げて笑う。

相変わらず首と手首を一枚板で拘束されている。いわゆるギロチン板というものだろうか。

ただ態勢は変えられ、肘で地面を押すような恰好で膝も付き、にっくき橋元にヒップを差し出すような体勢で、潤いにつぐ潤いから、室内の湿度を上げてしまうのではないかと思うほどの水分をその小さな蜜壺から放出していて、豊満な臀部の菊門までが無防備に晒された姿で拘束され凌辱を受けていた。

グリグリという音がなりそうな動きで人差し指で美佳帆の菊門を虐めながら、深々と濡れた蜜壺を抉る。

「ひっ!・・・あっっ・・っくぅ!!!」

不自由な格好で顎を持ち上げ、美佳帆は全身を震わせる。

「まーた逝ったんですかいな?いったい何回いったんでっか?美佳帆さん・・こんなに逝ったことおまへんやろ?旦那はこんなに可愛がってくれへんやろ?ええ?あんなむすーっとした男にはこんな芸当到底無理でしょうなぁ!がーっはっはははは」

バカ笑いを罵る気力も体力も最早なく、極めた絶頂の余韻で豊満な肉動くたびに肉を揺らせるヒップを震わせていると、バチーンと平手打ちをされた。

「きゃぅ!!!」

男性から行為の最中でも、そのような扱いを受けたことのない美佳帆は驚いて声を上げてしまった。

突然、ヒップを打たれると言う仕打ちに驚いたのはもちろんであったが、叩かれるという行為にジクジクとした陰鬱な快感が混ざっていたことのほうに驚きが大きい。

叩かれた衝撃で僅かに腰が動く。

腰が動くと突き刺されている橋元の男根を、自身の膣肉が貪るように吸い付いてしまうのが嫌でもわかった。

「おやぁ?美佳帆さんそういうのもイケる口ですか?」

再び臀部に橋元の平手打ちが飛ぶ。

「ひぃ!な・・なにが・・!痛いわよ!叩くのは止めて!」

バチーン!

「きゃああ!止めてって、、うっ・・言ってるじゃない!ああああ」

セリフとは裏腹に叩かれた衝撃と振動で、腰は自動的に橋元の太すぎる男性器を抱擁するように膣肉が締め上げる動きをしてしまう。

「美佳帆はお尻を叩かれて逝きますや!ほら!美佳帆さんきちんと言うまで、射精しまへんで?」

「そんなこと言う訳・・!きゃあああああ!」

美佳帆が言いかけたところで、またもや橋元が美佳帆の熟れた豊満なヒップに平手を振るう。叩かれることにより波打つ豊潤に腰回りを守る白く熟れた柔肉は、全裸の女体を何百と見て来た橋元ですら性欲をさらにそそられるほどに官能的であった。

「私に出してもらわんと、【媚薬】は解除されへんのでっせ?がははは。どうやっても美佳帆さん。貴女、私には、もはや逆らえれんのんですわ?どや?悔しいでっしゃろ?がーっはっはっは!」

「くぅ・・くうう!!い、今に・・後悔する・・わよ!さっさと・・うぐう!・・だ・出しなさいよ!・・あなたこそ逝くの我慢してるんでしょ?!」

橋元の罵りと【媚薬】効果で芯まで蕩けさせられてしまっている。何をされても気持ちいいのだが、頭では相手が橋元と解っているので、この未だかつてない快感を与えてくる相手が私の最も忌み嫌う相手であると言いう矛盾が生じどうしてもいつもの強い口調で反論する気力だけが今の美佳帆に正気を保てる蜘蛛の糸になっていたのかも知れない。

「おおおおぅ・・!ゾクゾクっとしましたわ。美佳帆さんはやっぱり最高でんな。身体はもうとっくに堕ちてはるのに、そんなセリフが口からだせるなんて、ホンマに楽しませてくれますわ!」

何十回も逝って敏感になっている自らの膣肉の握力で憎い橋元の男性のシンボルを握りつぶすと言う行為しか武器のない美佳帆は、絶頂しないように気を強く持ち本人的にはもう攻撃をしているつもりで割り切り腰を振る。

「ほら!出しなさい!」

不自由な格好で自ら腰を振り橋元の腰に蜜壺を打ち付ける。

美佳帆は歯を食いしばり、自分のほうが先に逝ってしまわないように耐えながら腰を振る。

「おおおお!ええ眺めや!あの百聞の美佳帆さんがデカい尻を揺らせながら自ら腰を振って、私の大砲を飲み込んで・・おおおお・・!こりゃたまらん・・!」

顔を真っ赤にして歯を食いしばり絶頂しまいと耐えながら美佳帆は腰を打ち付ける。

腰の振り、絶頂を我慢している真っ赤の汗にまみれた顔をカメラでおさめられながら、振り絞る様に腰を振る。

「い、逝きなさい!はぁはぁ!・・・ぅく!・・・っあああ!」

(だ、だめ!また私の方が逝っちゃう!は、早く!早く逝って!この遅漏!!だ、だめ!!)

美佳帆の身を削った攻勢に橋元の息づかいもリズミカルになっていく。

「おおおっと・・!」

あと少しで本当に逝ってしまいそうになっていた橋元が無情にも美佳帆の腰を掴み、長さ25cm太さ5cmはあろうかという自慢の一物を勢いよく引き抜いたのだ。

「危ないところでしたわ!がはは・・おや?どないしましたんや?美佳帆さん?ええ?!」

バチーン!

「ひぃ!ううう!」

(そ、そんな・・!!こんな態勢じゃ・・こっちからこれ以上責められないじゃない・・!そ、それに・・こっちはもう逝きそうだったのに・・)

不格好で不自由な格好から責めていた美佳帆は、思いがけず寸止めになってしまった身体を怨めしく思っていたところに再び橋元の平手が飛ぶ。

バチーン!

「きゃああ!だ、だめ!叩かないで!」

ずぶり!!

「ひぃぎい!きゃっ!あああ!ぬ、ぬいて!!」

絶頂感から僅かに回復した橋元が、逝き損ねた美佳帆の膣奥の快感スイッチを押し込むように深々と串刺しにする。

「いーひひひ!美佳帆さん逝き損ねたんでっしゃろ?」

「だ、だれが!違うわよ!」

バチーン!

その肉感の良い白くスローモーションのように美しく揺れるヒップの柔肉。

「ひぅ!ちょ・・!やめ!」

バチーン!

「きゃ!やめて!」

バチーン!

「だめ!逝きたくない!!」

バチーン!

「い、いや!叩かないで!あああっ!」

「がははは!美佳帆さん目の前のカメラ見ながらや!」

ばちーん!ばちーん!ばちーん!ばちーん!ばちーん!ばちーん!

「あっ!ああああっ!いやっ!!ああああ!だめ!嫌!嫌よぉ!!こんな逝き方!」

「逝くんや!美佳帆さん、アンタは尻叩かれながら逝くドマゾ女なんや!」

ばちーん!ばちーん!ばちーん!ばちーん!ばちーん!ばちーん!

「あああああっ!!!っくっ!!!・・・っく!!っう!!!」

肘と膝で四つん這いになった不自由な身体を限界まで逆にのけ反り、顎を上げて白い喉を見せて深い絶頂を貪る。

美佳帆を飲み込んだ絶頂は容易に美佳帆を開放せず、10数秒間、美佳帆は身体をのけ反らせたまま小刻みに震えていた。

その顔をアップでおさめられているのも構うこともできずに快感を貪る。

ようやく絶頂から解放された美佳帆が大きく息を吐き出し、すぐに荒い呼吸をゼエゼエと始めると、髪の毛を掴まれ顔を上げさせられる。

片目を少しだけ開けると見下した笑いを浮かべた男がカメラを美佳帆の顔に向けていた。

「さあ、美佳帆さんがもっと素直で可愛い女に成れるまでエンドレスといきましょうか!」

橋元のバカ笑い声に愕然としている暇もなく、腰をがっちりと掴まれる感触があると同時に再び橋元の巨根が打ち込まれ始めた。

「いやあああああ!」

美佳帆の悲鳴と橋元、AV男優たちの笑い声が撮影室に響き渡った。

(くっ・・・なんという屈辱・・・この私が・・・ヒップを打たれただけで、絶頂させられてしまうなんて・・・相手が強いなら立ち向かえば良い・・・相手が狡猾な男なら、力で制圧すれば良い・・・しかし・・・この男のこの能力(ちから)は・・・わたしが・・・わたしが男性ならこんな男などに屈服せずに済むのに・・・)

橋元に今日幾度となく挿入されたが、またその太さを新鮮に感じてしまい受け入れてしまう私の股間の細胞達を恨めしく思いながら、そろそろ意識が朦朧としていく中でそのような事を考えながら女性に生まれたこと自体を嘆いている自分に、限界が近いのかもと自覚していた美佳帆であった。

【第8章 41話 三つ巴 抵抗!抵抗!そして唯一出来る攻撃!終わり】42話へ続く



第8章 三つ巴 45話 橋元逝く・・そして炎上

【宮川コーポレーションメンバー】

現社長宮川誠派

緋村紅音(ひむら あかね)
145cm 45kg 31歳 80,54,82 65C
通称:紅蓮(チビ魔人、火遊び枕営業、赤ビッチ:稲垣加奈子が勝手に命名)
宮川コーポレーション本社勤務。宮川コーポレーション現社長宮川誠の側近兼愛人。
某アイドルグループの大島優子をさらに小柄にした容姿で、髪は艶のある美しい赤毛セミロング。
宮川コーポレーションが全国から能力者をかき集めだしたころに新卒入社した生れつきの能力者。
非常に強力な発火能力を有しており、発火能力のみならず肉体強化も並みの能力者以上の使い手で才能の塊。
能力の才能に恵まれているだけでなく、頭脳も明晰で有名国立大学を首席で卒業。
当時の周囲からの評価は、気は強く他を寄せ付けない近づき難さはあるが聡明で頼れる存在とのこと。
しかし、その聡明で整った顔の裏側では、自己顕示欲や物欲が強く渦巻いており、手段を選ばない非情さと、大胆な行動力を兼ね備えた怜悧狡猾で邪知深い人物である。
自己評価が高く、自身に副わない対応や待遇を不満に思っている。
実際に緋村紅音の能力値は平均的に非常に高く、そのためか能力の系統はまったく違う、よく似た能力値の2個下の後輩、一族という事で、組織から優遇されがちである宮川佐恵子のことを毛嫌いしている。
多様かつ極めて攻撃的な技能を複数保有している上に、中国拳法も独自で北派南派のいくつかをマスターしており、遠近隙の無い戦闘力を持つ。

丸岳 貴司(まるがく たかし)
191cm 85kg 31歳 15cm
通称:(オールバック、垂れ目筋肉:稲垣加奈子が勝手に命名)
宮川グループ傘下の丸岳家の御曹司。丸岳家は代々医者の家系。
例に漏れず丸岳貴司も医師免許を取得しており、宮川コーポレーションに籍を置いているが、丸岳家が運営する京都府の総合病院の理事も兼任している。
宮川グループが能力者の収集をし始めた第一次募集組と同じ入社。緋村紅音と中原はなとは同期だが、丸岳だけは入社試験を受けずに宮川参加企業の子息ということで縁故入社している。
黒髪長髪のオールバックで髪を後ろで一つに結っており、の江口洋介を垂れ目にして酷薄にした顔立ち。胸板は厚く、筋肉質な体躯の持ち主。
丸岳家の道場で幼少期より日本武術を鍛錬しており師範代の肩書も持っている上に能力者でもある。肉体強化系の能力を保有しているとされている。
普段からダーク色のスーツを着こなし知的な見た目通り冷静沈着で仕事も出来る。
社内では余裕のある態度と口調で過ごしているため、独身という事と、ミステリアスさを感じさせる雰囲気が意外と女性社員に人気が高い。
緋村紅音とよく行動を共にしているため、宮川誠派と目されている人物。

中原 はな(なかはら はな)
185cm 77kg 31歳 98,73,103 80C
通称:(イケメンレディビルダー:稲垣加奈子が勝手に命名)
宮川コーポレーション本社勤務。宮川佐恵子、神田川真理、稲垣加奈子の2個先輩で緋村紅音、丸岳貴司とは同期組。
容姿は渋く掘りの深いイケメン顔に可愛らしいサイドテールやツインテール、そして圧倒的な肉体の持ち主・・。幼少期より空手一筋で鍛え上げた鋼の肉体を持つ能力者。
趣味は筋トレと柔軟運動、そして相撲観戦という女性らしからぬ偏りぶりであるが、宮コーの変態異常者揃いの能力者の中では神田川真理と並ぶ双璧の常識人。
見た目のゴツさとは裏腹に、協調性を旨とする平和主義者な為、頼っている社員は多い。
お人好しな面があるため宮コー内部での派閥争いに、いつも巻き込まれているが、本人はどちらにも仲良くしてもらいたいと思っている。
好きな男性のタイプはジャーニーズ系のイケメンではなく角界の猛者で、浴衣を着て髷を結っている男性を見ると、すき油の匂いに引き寄せられるのかフラフラと近づいていく。
以前、中原はなの誘いで宮川佐恵子、稲垣加奈子、神田川真理が相撲観戦に行ったときに、1畳程度しかない枡席に4人で座っている様子が社内のブログに貼られているが、座っているはなの巨躯に3人が枡の隅に押しのけられている図で、その絵は、はなのボリュームを説明するときによく使われている。
能力は肉体強化しか保有していないと記録されているが、内緒の隠し持った能力があり、本人以外誰も知らない。

〇宮川コーポレーション調査部(元菊一探偵事務所)

菊沢宏(きくざわ ひろし)
172cm 61kg 35歳 15cm
通称:グラサン(三流ホスト、むっつりグラサン:稲垣加奈子が勝手に命名)
菊一探偵事務所元代表であり、菊沢美佳帆を妻に持つ。古流武術、芹沢流の免許皆伝者。
膨大な思念量と屈強な肉体の持ち主。普段からお堅いフォーマルな恰好を良しとせず、Tシャツにジャケット、スラックスで黒を基調にラフに着こなしている。容姿はGLAYのテル似ではあるが、普段は寡黙で表情をそう動かすことなない。
普段からトレードマークであるサングラスを愛用しているのは、魔眼とは異なるが能力解放時に目が赤く発光してしまうのを隠すためである。
美佳帆には芹沢流の扇子術のみを伝授した。【肉体活性】、【残り香】、【キルマインド】など多彩な力を持ち、指刀では指が名刀の如く切れ味と化すことができる。
学歴も高学歴ながら、同高校大学の先輩の妻、美佳帆には普段はアホ扱いをされているのは直情的な性格から子供っぽい一面を見せるためである。
高い戦闘能力と様々な経験から、多様な対応力を持っており、思慮深く女性には絶対に手をあげないなどフェミニストな面もある。しかし、口数が少なく言葉も使いも荒くなりがちなので、初対面の人には怖がられる時も多い。
宮川コーポレーションと橋元一味の抗争が激化していく中、自身や会社を守る為、能力者集めに執心している宮川佐恵子に、熱烈な懇請を受ける。
当初は乗り気でなかったものの、凶悪な能力者と対峙した際に仲間を自分だけでは守り切れないかもしれないという葛藤と、愛妻の菊沢美佳帆や宮川佐恵子に好意を持ちつつあった副所長の豊島哲司の後押しもあり、命令は受けないなど、いくつかの条件付きで宮川コーポレーションの社員となった。
現在は宮川コーポレーション関西支店調査部部長という肩書を持っている。上場企業の部長職になったが相変わらずスラックスにジャケット姿のスタイルを崩さず、菊沢美佳帆の頭痛の種になっている。

菊沢 美佳帆(きくざわ みかほ)
155cm 48kg 38歳 83,62,87 75C
通称:百聞の美佳帆、大蔵大臣(外ヅラ菩薩、熟女枠:稲垣加奈子が勝手に命名)
菊沢宏の妻で菊一探偵事務所の所長代行。菊沢宏や豊島哲司と同じ高校に通っていて当時からの顔見知り、そして宏らの2個先輩である。
常に前向きで周囲に優しく明るく接する、菊一事務所のリーダー的存在。体調によって多少変動するが能力は半径100mにも及ぶサークル形内での傍受能力【百聞】を得意とする。
肉体の強化も行えるが、それほど得意ではない。それを補う為に菊沢宏からは芹沢流軍配術を指南されており、普段から美佳帆のバッグには鉄扇という物騒なものが忍ばされている。
また知識欲旺盛で、多数の資格を取得している勉強家にして事務所の頭脳、その知識は時に非常にマニアックな部分まで掘り込んでいるときがあり周囲を驚かれることもある。
マスターした技能の中にはハッキングやキーピッキングなど、まさに探偵っぽいものは国際クラスの腕前である。
此度の橋元一味との抗争に巻き込まれているうちに、橋元不動産社長橋本浩二に目を付けられ【媚薬】という呪詛を貼り付けられてしまい、抗い難い性欲に塗れた熟れた豊満な身体を橋元に堪能されてしまう。

豊島 哲司(とよしま てつじ)
182cm 84kg 35歳 16cm
通称:(支社長のイイ人、以前は風俗通い、白刃取りの彼:稲垣加奈子が勝手に命名)
菊沢宏らと同じ高校出身。中、高、大学と陸上競技で短距離走をしていたが、社会人になってからは仕事の持ち場的に、短距離選手とはかけ離れた仲間の盾役に相応しい体形に鍛錬して身体を作り上げている。
実家は京都にあり、知らないものがいないほど有名なお寺で、そこの跡取り息子である。性格は正直者でやや暑苦しいところもある正義漢。見た目もそこそこ暑苦しく織田裕二似のルックス。
普段は寡黙ながらもルックスと渋い表情の合間に時折みせる、白い歯が印象に残るは笑顔が武器になっており、実は女性にはモテている。しかし女性と話すと緊張しすぎる体質もあり20代前半までは彼女ができず、大学を卒業するころにようやく初めての彼女ができた。
もともと高い身体能力に加え、常人離れしている握力を持つ。稲垣加奈子と能力の偏りは似ており肉体強化に全振りした構成である。スピード重視が加奈子とするとパワー重視の哲司である。
つい最近まで彼女無しの独身で、仲の良いモゲとよくつるんで遊んでいたのだが、宮川コーポレーションの宮川佐恵子と出会い、哲司がほぼ一目惚れしてしまう。
相手の感情を色で識別できてしまう佐恵子に、その想いはすぐ気づかれてしまい付き合うことになったが、お互いに中学生なみの恋愛経験値しかないため、今のところキスまでしか進展していない。


~~本編~~

第8章 三つ巴 45話 橋元逝く・・そして炎上

黒いストレッチャーの上にヒップを突き出した格好で顔を押し付けられている美佳帆は、汗と精液で汚れた顔を動かし、たった今けたたましい音を発して吹き飛んだ扉の方に顔を向けた。

「ま、待ったよ~・・宏ぃ・・」

疲れ果て絶望しかけていた美佳帆の顔と目に色が戻る。

全裸でこんな状況と恰好だが、美佳帆の前にはグラサンを掛けた旦那と、その背後には意図的にこちらを見ないようにしている副所長の豊島哲司が部屋の隅にいた男たちに向かって走り出す。

「美佳帆さん!すまん!!待たせすぎた!」

それだけ言うと美佳帆が置かれているストレッチャーまで走る。

「き、菊沢宏!・・何故ここが!」

「とっとと離れんかい!このカスが!!」

美佳帆の髪を掴み、口を犯していた一物を隠しながら、服を探す橋元であったが、走りながら怒鳴る宏に両手で掴まれ、壁に向かって投げられ叩きつけられる。

「ぐぇ!・・ひぃ・・ひぃ・ま、ま、ま、まて!お前の淫乱妻の痴態を撮ってあるんや。もし、私にこれ以上乱暴したら、あんたら夫婦はもちろん事務所やってただじゃすま・・」

壁際に全裸で尻もちをついた橋元は、鬼気迫る表情の宏に右手を挙げて声をあげるが、

ばきぃ!!ぼきぃ!!

「ぎゃーーーーー!」

橋元は自らの話の途中で突如悲鳴を上げる。

投げ出していた橋元の両膝を宏が無言で踏み砕いたのだ。

「橋元お前は万死に値するんやが、なぶる趣味は無いんや!目ざわりや!もう死ねや!もっと早う殺すべきやったんや・・!」

宏はそう言うと右手の指先にすでに集中していたオーラを鋭利な形状に変え橋元の首を切り飛ばした。

栗田教授直伝の天結を応用した技能で指先のオーラを切れ味の鋭い刃物のように変化させる技能である。

宏と哲司がこの部屋に突入してから15秒ぐらいの出来事で、スタジオに集まっていた他の面々は呆気にとられたまま呆然といまだに立ったままである。

「え?」「なにこれ?演出?」「え?血?まじ?」とAV男優たちが口々に現実を脳が容易に受け入れられずにいる発言をしているが、一人だけカメラを構えたスタジオ野口の支配人である野口啓介が悲鳴を上げた。

「ひいいいい!わ、私は橋元さん、いや橋元に頼まれただけだったんだ!・・いわくつきの女だとしか聞いてなかった。知らなかったんだ!助けてくれ!!私は無関係なんだ!ひいいい!」

床にごろりと橋元浩二の首が転がるのを、引きつった顔で悲鳴をあげつつ後ずさりし見ながら、続いて橋元の首を切り落とした、グラサン男の宏に目を見開いて嘆願する。

が、宏は床を蹴り野口に迫ると無言で右手を薙いだ。

ビシャアアアア!音をさせ、野口の立っていた後ろの壁面に赤い液体が飛ぶ。

呆然と見ていたAV男優たちの顔や身体に生暖かい赤い液体と、べっちゃりとした肉片が付着する。

先ほどまで目の前で叫んでいたカメラマンの顔の上部半分が吹き飛び、自分たちの身体に野口啓介の一部が飛び散ってきたのだと悟ると、AV男優たちは一斉に悲鳴を上げた。

「ぎゃああああああああ!」

一瞬で男たちの阿鼻叫喚の大合唱となるが、宏は無言で腕を振る。

哲司も止めることはせず、着ていたジャケットを美佳帆に掛け、ストレッチャーに拘束されていた美佳帆を介抱している。

美佳帆も、宏は大して怒っていないときは、ギャーギャーうるさいが真に怒りの頂点にある時は、無言でその腕を振るい続ける事を知っていた。

そして今がまさにそれで、こうなると誰が何と言おうと止まらないし、自分が今の姿で居る事に対しての怒りである事に、嬉しくもあり同時に先ほどまで自分の身体にされていた仕打ちを思い出すと胸が締め付けられるような痛みに襲われた。

周囲はカメラマンも含め宏から見て男優だと断定した男たちは、みんなほぼ全裸で下半身を露出させている。

露出させていた下半身の男性器はみな一様につい直前に使用した形跡が見て取れた為、宏は頭に血が上るのを感じたが、迷うことなく全員を殺すことにした自分の判断に何の躊躇もなかった。

「・・・」

両手を真っ赤に汚した宏は動く者がなくなると、ゆっくり美佳帆のいるほうに向きなおり、美佳帆に駆け寄る。

哲司に掛けてもらったジャケットを両手で押さえながら美佳帆は近づいてくる宏の胸に身体を預けるようにして倒れ込んだ。

「すまん!美佳帆さん・・!」

「へへへっ・・、やっぱり来てくれたね・・。ほんのちょっとだけあいつ等に触られたけど、宏達が助けに来てくれたから何とか無事よ」

汗と何かの液体で顔面ぐちゃぐちゃの美佳帆は、明らかな嘘で宏に強がってみせたのであるが、宏は無言で自身のジャケットも脱ぎ美佳帆の顔を拭いた。

「う、うわっぷ・・・あ、ありがと。宏」

スタジオの隅で、二人して見つめ合い立っている宏と美佳帆に控えめに哲司が声を掛けてきた。

「撮影されてたみたいやったから、機材は全部破壊しておいたで・・。無事・・・とは言えんけど美佳帆姐さんも取り返したし・・・橋元もあの様や・・」

哲司は破壊した機材の山を親指で指しながら言った後、床に転がっている橋元の首を見やりながら言葉を更に続ける。

「ああなってしもたら、呆気ないもんやな・・。能力あったっちゅうても、橋元は戦えるような能力やなかったんやろな。・・・あ!そや・・、姐さん!身体はどうです?宮川支社長の予測やと、女性を蝕むような呪詛があるはず言うてましたけど、どないです?」

橋元が事切れたのであれば、呪詛は霧散するはずだと聞いていた哲司は美佳帆に言う。

宏も「そ、そや!美佳帆さんどないや?!」と美佳帆の肩を抱きかかえたまま聞いている。

「・・そ、そういえば・・無いわ・・。大丈夫みたい・・。あんなに酷かったのに嘘みたいに平気よ!」

「そ、そうか!よかった~!」

美佳帆の答えに宏は安堵した様子で今日初めて笑顔になり、美佳帆の肩を強く抱きながら言った。

「美佳帆さん取り戻せたけど、外には色々居るみたいなんや・・。宏は美佳帆さん連れて行ってくれや。張慈円のカスも来とるみたいやし、俺が助太刀にいってくるさかい」

哲司が宏と美佳帆を気遣いそう言ったところで、宏と哲司の表情が引き締まり緊張が走る。

「な、なんや!?」

「これ不味ないか?・・!これは」

「え?どうしたの?」

宏と哲司の緊張したセリフに驚いた美佳帆が二人の顔を交互に見上げ聞くが、二人は美佳帆の問いかけには答えずオーラを放出する。

「え?え??」

披露しきった美佳帆は感じ取れなかったのは無理もないが、周囲は強大なオーラが渦となり収束しつつある状況でこれから何かしら周囲に変化をもたらすことが確実なように思えた。

危機と断定した二人の行動は早かった。

宏と哲司は長年のコンビネーションで言葉なく、阿吽の呼吸で美佳帆を間に挟み最大でオーラを放出させ防御障壁を展開する。

「ど、どうしたのよ!?二人とも!?」

「美佳帆さん、後で説明する!動かんとリラックスしてくれてたらええねん。テツ!気張れよ!」

「まかせとけや!チームの盾は俺やねんで?!」


哲司のセリフの直後に周囲の景色が歪み、続いてに轟音が響く。

ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!

3人の姿を紅蓮色の渦が包み込み、高熱と噴き上げる業風が襲う。

周囲の撮影機材や照明器具などが熱で変形し、ガラス製品はパリンと音を立てて砕け散る。床や壁面はコンクリートのようで炎の高熱に形状変化はないようだが、金属は融解され、コンクリートの表面に付着していた石油系の建材などがバチバチと爆ぜる音をさせながら、消し炭と化してゆく。

周囲に転がっていた亡骸が、水分を奪われ黒い塊に変化していく。更に熱で徐々に変形させられていく様は、悶え苦しんでいるように見えるが、熱と業風は止む気配はなく周囲を焼き尽くす。形状をとどめることができなくなるほど炭化したそれらは、紅蓮色に染まる世界の中で塵ほどの大きさまで分解されて、空中に霧散していった。

府内で警察さえも牛耳り不動産業を一代であれほど成長させ、【読唇】【媚薬】という常人離れした力を用い、悪事の限りを尽くして栄華を極めようとしていた橋元浩二であるが、炎であの世に送られようとしている様は、周囲の亡骸となんら変わりないように見えた。

【第8章 三つ巴 45話 橋元逝く・・そして炎上< 終わり】46話へ続く

第8章 三つ巴 47話 波紋と波乱と失脚

【第8章 三つ巴 47話 波紋と波乱と失脚】

府内を東西に分けるように流れる河川の、北側にある宮川傘下の総合病院に、玄関口ギリギリまで社用車で乗附させた佐恵子は、運転してくれた八尾部長に、一言も発する余裕もなく飛び降りるようにして降りると駆け出した。

受付前の長いすが並ぶエントランスに、全身ほんのりと煤にまみれたグラサンこと菊沢宏が立っているのを確認すると佐恵子は短く聞く。

「何号室ですの?!」

「・・・稲垣さんは集中治療室や。部屋やない」

「~~っ!・・容体は?!どういう状況ですの?!」

「・・・鎖骨と肋骨の骨折が5か所、右肩左肩靱帯損傷、両脚の靱帯も傷ついとる。それに右手の指は全部折られてる上に左目も潰されとる・・。指のいくつかは複雑骨折や。あと・・」

「あと、なんですの?!」

宏のジャケットを両手で掴み食い入るようにして聞く。

「・・死を悟ったんやろな・・。自分で舌を噛み切ってしもうとる。そやけどまだ息はあるんや・・死んでない」

さっき宏本人からも全く同じ連絡があったのだが、宏は再度全く同じ説明を佐恵子に丁寧にしてくれた。

「嘘!・・あの加奈子が・・!」

宏のジャケットを左手で掴んだまま、右手で口を押え嗚咽が漏れないようにしている佐恵子の手を、宏はゆっくりと掴んで佐恵子の肩を撫でると、長椅子に座らせた。

「・・・まだ手術中や・・・。・・稲垣さん、まだ頑張っとるんやで?敵がとどめ刺しに来んとも限らん。テツを手術室内に無理言うて待機させてもろうとる・・」

長椅子に座らせた佐恵子は顔を伏せ小刻みに震えていたが、肩を撫でている宏の手を払うと涙顔で宏に食って掛かった。

「あなた!・・・あなたは!!・・うぅ!!ど、どうして」

宏のオーラが見えている佐恵子は、言葉を詰まらせたが続きを言ってしまった。

宏の言葉に嘘や偽善はない。しかし、宏の服や顔はススで汚れてはいるが、体力とオーラにはかなり余裕があるのも見て取れる。

「なぜ加奈子に助太刀をしてくれなかったの?!!加奈子は・・!加奈子は・・自ら死を選ばなきゃいけないほど追い詰められていたのよ?!菊沢部長!・・哲司さまもいらっしゃったのでしょう?!なぜこんなに膨大なオーラを残したまま帰ってこれているの?!どうしてなの!?言いなさい!!」

「・・すまん」

ばきぃ!!

拳で殴打した後にカシャン!という乾いた音が病院のフロアに響き宏のサングラスが壁際まで飛んで行った。

「はぁはぁ!・・許せないわ!」

オーラによる強化は行ってないとはいえ、佐恵子は思い切り宏の左頬を殴ったのだ。

更に宏のジャケットを掴み、佐恵子は宏を見上げるように睨み上げて続ける。

「あなた美佳帆さまのことばっかり気にかけて加奈子を蔑ろにしたんでしょう!?・・・すまんですって?!やはり私も行っていれば・・!」

サングラスを身につけてない宏の胸倉を掴み前後に激しく揺すり、時には胸板を叩きながら佐恵子は宏を罵る。

「・・・すまんかった」

宏は胸倉をつかみ見上げ睨んでくる佐恵子の両肩に手を置き、再度ゆっくりとそう言った。

佐恵子は一瞬驚いた表情になったが、再度目をぎらつかせジャケットを掴んでいる手に力を込めて何かを言いかけた時、病院の入口の自動ドアが開きカツカツとヒール音がかなりの速足で近づいてきた。

「佐恵子!落ちついて!」

そう言い、背後から佐恵子の手を掴み宥めてきたのは神田川真理である。
連絡を受けて真理も病院に急行してきたのだ。

「・・・真理。・・・離しなさい。ここはいいから真理も手術室に向かってちょうだい!」

宏の胸倉をつかんだまま、顔だけ振り返った佐恵子の目は、まるで何かを抑えているように、どす黒い光が淀んでいた。

真理は危険を感じてたじろいだが、躊躇いながらもはっきりと言った。

「離さないわ。加奈子がどういう経緯で大怪我をしたのかは、まだよくわかっていません・・。菊沢部長を責めるのはよくありません」

「・・・・真理。あなた加奈子が死にかけていたときに、あの教授と自分の部屋で何をしていたの?」

顔だけ振り返った佐恵子の目が纏った黒い光が膨らみだす。

「さ、佐恵子・・・!わたしは・・」

先ほどより強い危険を感じた真理は顔を引きつらせて言葉に詰まってしまう。

「ええそう!?・・・言わなくてもいいわ!自分の楽しみ事を優先したくて、わたくし達が強襲に参加するのを止めたんでしょう?!・・とっとと手術室に行って加奈子を治療してきなさい!」

佐恵子の両目は危険な光を真理に向かって放ってしまうかに思われたが、寸でのところで光は縮まり、佐恵子は真理から顔を逸らして宏に向き直った。

その瞬間バチーン!と大きな音が病院のエントランス全体に響き渡った。

長かった髪も南川沙織に斬られたため、変で中途半端なヘアスタイルになっているが、佐恵子は長い髪を振り乱して、自身の頬を打った人物にキッと顔を向けた。

「あなた・・!誰ですの?!」

「・・これが私たちの雇い主なのですか?」

佐恵子の頬を打った人物、スノウこと斉藤雪は打った手が痛かったのか、手をひらひらとさせながら、呆れたと言わんばかりの表情で、頬を抑えたままの佐恵子をしり目に宏に聞いている。

「スノウ・・!下がっとけや。ちょっとやばいぞ・・」

そう言って佐恵子とスノウの間に身体を滑り込ませた宏に、スノウに食って掛かろうとしていた佐恵子は阻まれる。

「このわたくしに・・よくも手を上げましたわね!真理!いつまでそこにいるの?!あなたは手術室に向かいなさい!手遅れになったら許さないわよ!」

宏に阻まれながらスノウに詰め寄ろうとしていた佐恵子は、顔だけ振り返り真理に指示を飛ばす。

「・・は、はい。・・菊沢部長・・・、佐恵子を・・お願い・・」

真理は佐恵子に向かって短く了承の意を伝えると、宏に対してすごく申し訳なさそうな顔向けると勝手知ったる病院なのであろう、真理は一気に手術室向かって駆け出した。

「支社長さん、稲垣さんのことが心配なのはわかるけど、所長も和尚も美佳帆さんだって・・、アリサも私も・・死にかけたのは同じです!あの張慈円や髙嶺・・!あいつらが襲ってきたんですよ!?・・それを、あなただけ喚き散らして!周りに当たり散らして!・・美佳帆さんも酷い目にあって今手術室にいるわ!・・所長も和尚も焼き殺されそうになったの!・・私だって・・!死ぬのを覚悟したわ!」

「スノウ!わかってる!わかってるから、気持ちは解るけどここは押さえてくれや」

「いいえ言うわ!美佳帆さんだってひどい目にあってたのよ?!それなのに所長が貴女みたいに喚き散らして周りに八つ当たりなんてしてないでしょう?!どうしてかわかる?わかんないんでしょ?!貴女、人の感情は見えても人の気持ちなんてわからないんでしょ?!」

「こ!この!!・・言わせておけば!許しませんわ!」

スノウと佐恵子の間に入った宏は二人を宥め、引き離そうとするが、佐恵子の目が再び黒い光を蓄えスノウを視界に捕らえる。

「ひっ・・!」

「マジか!!ええかげんにせんかい!!」

射程に入り照準を合わされたのが本能的に察知できたスノウは小さく悲鳴を上げた。
死が放たれるかもしれないと予感させるほどの圧力を感じ、スノウが身を屈めたとき、宏も声を荒げたのだが、光は止まらない。

咄嗟に宏はスノウを抱きかかえ佐恵子に向かって防御のオーラを展開し大きな背を佐恵子に向ける。

「やれやれ・・。ここまで情緒不安定とは些か買い被ってましたかな・・」

「・・かっ・・くっ!」

病院の入口には、右手を佐恵子に向け念動力を飛ばしたのであろう栗田教授が、普段の笑顔ではなく険しい表情でそう言い佐恵子の動きを封じていた。

「師匠・・!」

「宏君。女性に手を上げないのは結構なことですが、時と場合によりますよ?特にこのような聞き分けのできない駄々っ子にはね」

そう言った栗田教授の表情はやはりいつもの好々爺ではなく、険しいものであった。

「・・くっ・・!このエロジジイ・・!あなたが真理を唆したせいで!・・おかげで加奈子は・・!」

「真理君ほどの才女があれだけ気を使ってくれているというのに・・。真理君はまだまだ重症だったんですよ。首を切断されていましたからねえ。輸血を終えて体力が回復したので再度治療していただけです。長いお付き合いでしょうに、あの真理君がそんなことするわけないと分からなかったのですか?真理君は貴女をからかっていただけですよ。・・・・それにしても、ほう・・この金縛りでも動くとは・・ですが、いまは暫く大人しくしてもらいましょうか。」

栗田教授がそう言うと佐恵子の身体は後方に吹き飛び、待合室の壁に、どん!と大きな音をさせてぶつかると悲鳴を上げた。

「ぐぎぃ・・!」

妙な発音を発し両手がだらりとさせ、顔を俯いたまま佐恵子は動かなくなった。

「命に別状はありません。少し静かになってもらっただけです。意識もあるでしょう。・・・おや・?・・お客さんのようですよ?」

栗田教授は自分の後方から近づいてくる気配と足音を察知して振り返るとそこには、3人の人影があった。

「あらあら・・少し前から見物させてもらってましたが、酷いものですね」

カツカツとヒールの音を病院の床に響かせながら、ゆっくりと歩き栗田教授の脇を抜け、床に座り込んでいる佐恵子の前まで進んでくる。

「・・・紅音!」

佐恵子は念動力で封じられた不自由な身体で紅音を見上げる。

「「紅音さん」でしょう?相変わらず目上に対する言葉遣いができてないですね」

「・・なるほど・・。菊沢部長達が焼き殺されそうになったっていうのは貴女の仕業ですわね?・・貴女がやりそうなことですわ・・!」

「ふん・・、貴女にそういう事言われるほうが驚きです。・・それに、橋元不動産に関することは全て抹消せよとの命令を受けていたのでそうしたまでです。たまたま居合わせた従業員を攻撃に巻き込んでしまったのは先ほどお詫び申し上げたところです。ねえ?菊沢部長」

「・・・まあ、な。言いたいことはたくさんあんねんけど、いまはええわ。それでなくてもごたごたしそうやしな」

紅音は宏に対してそう言うと、宏も魔眼の脅威が去ったのを確認してスノウを開放すると紅音に向かって言った。

「そういう事ですね。後で聞きましょう。緊密に話し合わなければいけないことも多いようですし・・ね」

紅音は自身の綺麗な赤髪を人差指で弄びながら、笑顔で菊沢宏にそう言った。

そして、佐恵子に向き直り、ベストのポケットから折りたたんでいたA4用紙を取り出し広げて佐恵子に向けると、文字通り見下した笑顔で続ける。

「宮川佐恵子。辞令を申し渡します。今月限りにて関西支社長の任を解き、関西支社総務部部長代理へと降格いたします。神田川真理、稲垣加奈子の両名は引き続き支社長主席秘書を務めよとのことです。・・・すなわち両名はわたくしの部下・・と言うことになります」

「な・・なん・・?ですって・・?」
 
【第8章 三つ巴 47話 波紋と波乱と失脚終わり】第48話へ続く
筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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