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第7章 慟哭 36話 荒木神谷救出作戦2  豊崎哲司

俺は向かって来るアジア風の張の部下らしき男達6人に
真正面から向かっていくモゲこと三出光春を追いかけた。

モゲは刃物を振りかざしてきた比較的6人の中で前に
居た2人を一瞬で左フック、右フックとそれぞれに1撃づつ
加えなぎ倒すとひるんだ後方にいた4人に襲い掛かる。

「ウィ~!!!!」

まるで往年のアメリカのプロレスラーのような雄たけびを
上げながら張の部下たちに襲いかかる姿はどちらが悪人か
分からない。

俺はこの調子だとモゲが1人でやってしまうなと思い
駆け足であった歩を緩め後ろからゆっくり歩き出した。

「おらっ!お前らっ!神谷さんはどこなぁ!言うてみぃぃっ!!」

バキッ!!ドガッ!!

「千尋さんを返せごらぁぁぁっ!!うらぁぁぁモゲさんストンピング
じゃぁぁっ!うん?痛いかい?言うてごらん?」

ベギッ!!ベギッ!!ボッキィィ!!

「ウオ・・・ヘグッ!
ホントニシラナインダッ!!
グワァァァア!!」

あの音・・・

折りよった・・・

あかんアイツ切れてる・・・

モゲはあっという間に6人を地面に這いつくばらせると
だれかれ問わずにストンピングの嵐を張の部下全員に喰らわせる。

そしておそらくは伊芸千尋が現在進行形で捕らわれたままである事。

斎藤雪が張にされた性的拷問の事などから怒りのボルテージが
最高潮に達し我を忘れていた。

俺はすぐさまモゲに追いつきモゲの肩を掴む。

「おいっ!モゲッ!こいつらもう伸びとるって・・・
お前殺す気か!?」

「哲司っ!こいつらはクソムシやっ!
生きてても意味無いから死んだ方がええやろ!
こんなカスども死んでも誰も悲しまんっ!」

バキッ!ドガッ!!

「ブェェェエッ!!」

張の部下たちは鬼のようなモゲの仕打ちに完全に
戦意を失っている。

俺も気持ちはわかるがいかに相手が悪党とは言え
やりすぎはモゲの為にも良くないと思い。

暴れまくるモゲを後ろから抑えた。

「おいおい・・・
モゲさんよ~
気持ちはわかるよ・・・
お前お嬢好きあったしなぁ・・・」

「哲司・・・
すまん・・・
でも・・・
それだけちゃうねん・・・
こいつら・・・
特に張は・・・
お前も雪さん俺と
一緒に雪さん救出に行ったから
見たやろ・・・
あの鬼畜な拷問道具を・・・」

モゲの怒りは解る。

特に俺と姫とモゲはスノウを救出に行った時に
捕らわれの身であったスノウを目撃していたのだ。

菊一探偵事務所の中でも張に対する怒りは他のメンバーより
ボルテージが高くても仕方の無いことである。

ましてやモゲは高校時代からずっと好きであった
伊芸千尋を捕らえられている。

伊芸千尋、お嬢は既に結婚しているのにモゲはまだ
一途に好きだったのかと思うと俺も胸が熱くなってくる。

しかしモゲは俺の制止を受け入れてくれ最後には思いっきり
アスファルトの地面に向かいストピングをして張の部下たちを
いたぶるのを止めた。

俺とモゲは手持ちに手錠が4つしか無かったので張の部下たちを
引っ張っていき向かい側にあった廃工場の配管に手錠をかけた
張の部下を4人繋ぎ後の2人は縄で拘束した。

6人を行動不能にしたモゲと俺は神谷さんを探すべくさらに
港町のコンビナートを奥へと進んで行く。

「確か橋元所有の倉庫はこの奥にあったはずやなぁ」

「ああ。
使われていない倉庫が増えて来たし・・・
ここから先は殆どそうやろ?
確か奥から2番目・・・」

俺がモゲの問いかけに応えた時、丁度正面から黒の
ワンボックスカーが突っ込んできた。

俺は助手席に乗っていた男の顔を見て車をこの先へ
行かせるわけには行かないと思った。

おそらくモゲもおなじように感じたのだろう。

「哲司っ!あの車っ!!」

そう言いながら車に向かい正面から走り突っ込んでいくモゲ。

もう無茶するなと止めることもできず俺も仕方なく
モゲの後を追い突っ込む。

肉体活性の力を最大限に出せば、車に跳ねられても無傷では
いられるが車を止めるだけの力が出るかどうかは試したことも無い。

モゲの力は超視力。

拳銃の弾にカウンターを合わせれるほどの動体視力に遠方の資力も10.0以上
測定不能なほどの資力を発揮する。

「哲司っ!やっぱり神谷さんあの車に乗せられてるぞっ!
張のカスもいてるっ!!」

「マジか!張は助手やから見えたが神谷さんっ遅かったかっ!!」

俺は車に突っ込んでいくモゲを抜き去りチタン製のグローブを手にはめると
車に一直線に突っ込んで行く。

俺やモゲにおかまいなく突っ込んでくる張や張の部下、それに神谷さんが
乗せられた車。

「うおらぁぁぁぁぁぁぁあっ!!!」

バギギギギッ!!ドンッ!!!

俺は真正面から黒のワンボックスカーのフロントに右こぶしをぶち込んだ・・・

が・・・

その瞬間俺は宙に浮いていた・・・

しかし車は一瞬速度が緩まった。

ベキッ!!!ギュルルルル・・・

続いて速度が緩まった車の前輪にモゲが鉄パイプを差し込む。

俺は宙に浮きながらモゲにOKサインを出していた。

《第7章 慟哭 35話 荒木神谷救出作戦2  豊崎哲司 終わり》




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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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