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第8章三つ巴 33話 プロフェッサー現る 

張慈円は劉幸喜との通信を切ると手下に声を掛けた。

第8章33話 プロフェッサー現る 

「おい・・もう一度だけ聞くぞ。ここに飛び降りてきたときには確かに二人いたのだな?」

その声は静かではあったが怒気が漲っていた。張慈円に喉を掴まれ宙に持ち上げられている男は足をばたつかせながら血まみれの顔で張慈円に何度も頷く。

「そうか・・絶好の機会にまんまと逃げられおって・・・役立たずが!」

バチバチバチバチッ!

冷血なセリフと同時に張慈円の右手に青白い光が迸る。

張慈円に喉を掴まれていた男は身体を痙攣させ足を更にばたつかせた。喉を握りつぶされながら掴まれている男は声を出すこともできずもがいていたが、だらりと垂れ下がり動かなくなる。

「いいか?言ったはずだ。菊沢美佳帆を捕えろと・・。まんまと逃げられるようなマヌケは俺の部下にはいらん!・・・アレンが片割れのほうを見つけた。半分行け!しくじれば次にこうなるのは貴様らだ!肝に銘じておけ!」

【放電】により動かなくなった男を部下たちの前に投げ捨て恫喝同然のセリフで部下たちを嗾ける。

部下たちは一様に青ざめた顔で張慈円から逃げるようにアレン達が見張っていた水門のほうへと我先へと走っていった。

「そう遠くヘはいけまい・・」

張慈円は大急ぎで逃げ去るように向かう部下の後ろ姿に苛立ちを覚えながらも蛇のような目で冷静に得物を逃さぬよう頭を回転させる。

(ここと通信が途絶えてから2分と経ってはおらん・・。周囲は部下たちが50人以上で包囲しているのだ・・・。しかも橋元の情報が確かなら奴はまともにオーラが使えん。肉体強化を計り強引に進んだとしても警戒網に引っかかる・・。・・奴の能力はなんだ?おそらく完全な武闘派ではないはずだ・・・。もしそうであったならば、小田切響子を拉致したときや以前エレベーターの前で対峙したときにはもっとプレッシャーを感じたはずだ・・。通信系や感知系・・・。とすれば・・)

「・・・劉か」

考え事をしてはいたが、張慈円は足音なく背後に降り立った気配に振り向かずに声を掛ける。

「はい、俺です。髙嶺の奴らの様子を見てきました・・・。稲垣加奈子以外全滅です。しかし3対1だったので流石に脳筋の獣女も時間の問題でしょう」

劉は張慈円に近づきながら報告を告げる。

「その顔だと髙嶺の連中の腕は劉の想像を超えていたようだな・・?まあ、それは後で聞くとしよう」

劉のほうに向きなおった張慈円は冷静を装っている劉の顔をみてそう言うにとどめ続けて指示を出す。

「それより今はアレンの応援に行ってくれ。菊沢美佳帆ではないもう一人の女を発見したようだ。寺野麗華という奴だ。オーラに多少目覚めたとはいえアレンだけでは荷が重かろう。・・・殺さずに捕らえるのだ。菊沢の居場所を吐かさねばならん」

「承知しました」

張慈円の言葉に了解の意を示した劉が闇に走り消えると、張慈円は残った手下を連れ雑草の生い茂った護岸公園に向かい手下たちに大声で怒鳴った。

「周囲をかためろ!この公園に隠れているはずだ!木の上や茂みの中も見落とすな!」

菊沢美佳帆の耳には【百聞】を使わずとも張慈円の張り上げた声が良く聞こえていた。

一方、劉が張に報告していた、取り囲まれ最早万事休すと思われている稲垣加奈子方面では・・・

「おやおや・・・3対1とは感心しませんな」

物静かで場違いな声に稲垣加奈子は耳だけ注意を向け反応する。

背後から聞こえてきた声は、距離からするとそこは空中のはずだ。

(味方のはずがない。更に新手・・・私もここまでね・・いいわ・・!4対1だろうと全員片付けてやるわ!・・支社長死なないで・・)

加奈子は自分のオーラをすべて使い切ろうと覚悟を決めた時、目の前の千原奈津紀が背後に現れた声の主に向かって忌々しげに呻いた。

「栗田教授・・・!」

普段は抑揚のない無感情ともいえる口調の千原奈津紀らしからぬ声に驚いた南川沙織と井川栄一は銀髪を逆立たせた加奈子を警戒しつつも、栗田と呼ばれた男に目だけ向けた。

「このじいさん・・?栗田ってまさか・・」

「・・浮いてる・・!念動力ってこと?・・・おじーちゃん燃費悪い能力もってんじゃん!」

栄一と沙織はいきなり現れたグレーのスーツを着こなし空中に浮いている初老の紳士に警戒を強める。

「日本に帰っていたのですね・・・」

千原奈津紀が眉を顰め、視界に稲垣加奈子と初老の紳士を捕えた顔には僅かに迷いがあるように見える。

「なっちゃんさん!このおじーちゃん知ってるの?!・・どうすんのよ?!」

初老の紳士の得体の知れなさと、奈津紀の焦燥を敏感に感じ取った南川沙織が二刀を初老紳士と稲垣加奈子に一刀ずつ向け奈津紀に問いかける。

「油断禁物ですよ。その者は御屋形様の力を封じた男です」

「このじじいが・・!」

「な・なるほど・・・!好々爺然とした顔なのにこの圧力・・!合点がいきました」

奈津紀の答えに沙織と栄一は初老の紳士に対しての警戒をさらに強める。

「これはこれは・・やはり髙嶺さんの美人付き人さんではないですか?あなたも髙嶺さんと同じくブスリといかがですか?あなたのような危険思想の方には美人といえどもきつーい注射が必要ですからね~」

加奈子の背後に浮いている初老の紳士は、加奈子以外の注目を浴びながら物腰の柔らかそうな仕草と声色で奈津紀に笑顔でそう言った。

「戯言を。目的のものは手に入れましたが、ここであなたも始末すれば御屋形様の恨みも晴らせますね・・」

「やっ!!!」

千原奈津紀の隙とも呼べない僅かな気の逸れを感じた加奈子は、迷うことなく千原奈津紀を間合いに捉え踏み込んでた。

「あなたは・・!執拗も度が過ぎます」

千原奈津紀はさすがに何度も間合いに入られまいと愛刀和泉守兼定を加奈子に突き出し牽制すると、同時に加奈子目掛け美しくも筋肉と脂肪が丁度良い割合でついている肉付きの脚で蹴りを放つ。

刺撃と蹴りを何とか防いだ加奈子は苛立ちを隠さず吼え、先ほどよりも速い速度で奈津紀に迫る。

「邪魔だあああ!支社長から離れろ!」

オーラで極限まで硬度を高めた手刀と貫手で奈津紀を襲うも、奈津紀の剣術と体捌きで防御に徹せられてはいかに加奈子といえども攻め切れない。

「てめっ!調子に乗り過ぎ!!」

奈津紀を猛撃で追い詰める加奈子の背後から二刀を背に振りかぶり沙織が一気に間合いを詰め襲う。

「沙織!後ろ!」

奈津紀は加奈子の猛攻を愛刀で防ぎつつ、沙織に注意を飛ばす。

「いけませんなぁ」

のんびりとした声の主は、いつの間にか屋上に降り立ち沙織に向けて右手を向け念動力で九字兼定と京極政宗を念動力で捕らえ掴んでいた。

「う・・うおぉ?か・・刀が振り抜けない!・・・井川君!!」

刀を振り抜こうと身体を捩じり切った格好で止まったままの沙織は焦った声で、背後にいるはずの栄一に援護を求める。

「こっちも・・!動けないんですよ!!」

栄一も三日月宗近を抜刀する構えから動けず柄を掴んだまま老紳士の左手が向けられた先で固まっていた。

「私の刀を・・離せぇ!」

「くそ!・・・二方向同時にこんな強力な思念を飛ばせるとは・・・!」

沙織と栄一は封じられた動きのまま呻くと老紳士は笑顔で静かに笑った。

「はっはっはっ・・、お若いですな。強力なオーラと剣術の腕にかまけた驕りがあるから、そのような油断をするのですよ・・・・どれ、これはどうですかな・・・破っ!!!」

老紳士は笑顔のままそう言うとオーラを練り上げ髙嶺の三人に衝撃を放つ。

「きゃ!!」

「ぬぅお!」

「くっ!」

屋上の埃を巻き上げ同時に3人がそれぞれ後方に大きく吹き飛ばされる。

髙嶺の3人は吹き飛ばされながらも刀を離さず、空中で身を捻り着地し老紳士に向かって刀を構える。

老紳士の放った衝撃波により倒れ伏せていた佐恵子の髪の毛か大きく靡いたとき、奈津紀の隙を見逃さず加奈子が佐恵子のところまで駆け抱きあげていた。

「支社長・・支社長・・!」

(い・意識がない・・・。真理がいないんじゃ・・・間に合わないわ!)

目を閉じぐったりと仰向けで顎を上げた佐恵子の身体は少し冷たく感じられた。涙が出そうになるのを堪え加奈子は佐恵子を敵に渡すまいと両手でしっかりと抱え奈津紀を睨む。

「一度ならず二度までも・・・魔眼を奪い返されるとは・・」

睨まれた奈津紀は、視線は加奈子と佐恵子を捕えてはいたが、老紳士のほうに正眼に構えて目標を切り替えようとすり足で老紳士との間合いを詰める。

「しかし、栗田教授・・あなたは魔眼以上に仕留めておきたい相手です・・。沙織、栄一さん。栗田教授を仕留めますよ」

奈津紀は加奈子にも注意を割きつつ老紳士に向き構え二人にそう指示をするが、沙織がすかさず反論してきた。

「なっちゃんさん!・・ジジイ仕留めるったって・・銀髪はどうするのよ?・・そいつ無視してジジイと戦うなんて無理くさくない?!」

「大丈夫です。こんなオーラの放出長くは続きませんよ。・・・そうでしょう?稲垣加奈子」

視線は加奈子に合わせたまま沙織に答えている奈津紀の口元が僅かに上がる。

「・・はぁはぁ・・絶対に・・・護る・・!」

銀髪を逆立たせた女豹と化した加奈子は滝のような汗をかきながら肩で息をしつつもはっきりと奈津紀に言い放つ。

「まあまあ、お嬢さん無茶はいけませんなぁ・・。レディにそんな無理をさせるのは私の主義に反しますので、ここは私の頑張りを見ていてください。お礼はけっこうですよ・・・?あなたと同じような服を着た神田川真理さんに身体で払ってもらうという約束をしていただきましたから」

決死の加奈子の口調とは対照的に、老紳士は場違いな温和な声で加奈子に声を掛ける。

「ま、真理が生きてるの?!」

佐恵子を抱えたまま加奈子が老紳士に問うと、にっこりとした笑顔ですぐに答えは返ってきた。

「はい、さきほどのことです。治療させていただきましたよ。それにもうすぐしたら私の一番弟子も仲間たちと一緒に到着するようですから、安心してください」

「真理が生きてる・・治療してくれた・・ってことは・・お爺さん!支社長も治してください!」

「はい。お代は神田川さんからということになってますからな」

相変わらず敵も健在であるが、笑顔の老紳士の返答を聞き加奈子は最悪の事態は免れたと安堵すると、悲観的な気持ちを切り替え奈津紀に向き直る。

「沙織!栄一さん!撤退します!張慈円さまは目的を達成したとのこと。各自散開!長居は無用です」

「ちっ」

「承知したよ!」

舌打ちと了解のセリフと同時に二人は隣のビルに向かって飛ぶ。

「ま、まちなさい!!」

佐恵子を抱えたままで追うことはできず、飛び去る背中に向かって加奈子は呼び止めるが、オーラの使い過ぎで膝に力が入りきらずよろめいてしまう。

「お嬢さん。無理なオーラの使い方をしてるからですな・・。今はもう無理はせんほうがいいでしょう。幸い引いてくれましたしな・・。私も年ですからこれ以上長引いたら困ると思っていたところなんですよ。それより貴女が抱えているレディも治療致しましょう。」

老紳士は汗びっしょりの加奈子に好々爺然とした笑みを浮かべ、ゆっくりと加奈子に近づきそう言った。

「あ!・・支社長をお願いします!真理も治してくれたんですね?・・支社長治りそうですか?あと、下には真理以外にも3人いるはずなんです!みんな無事ですか?みんな治療してくれたんですか?」

加奈子は抱えた佐恵子を老紳士に見せるようして近づき矢継ぎ早に質問を浴びせる。

「まあまあ落ち着きなさいお嬢さん。色々一度に聞かれても私もいま来たばかりでよく状況は解ってないのですよ。とりあえずその長髪の美人さんを診ましょう」

老紳士は慌てる加奈子を宥めると、抱えられている佐恵子を覗き込みながら言った。

「そ、それもそうだわ・・!お願いします!」

加奈子は佐恵子を床にそっと横たえ「どうですか?」と佐恵子に向かって跪いて見ている老紳士に声を掛ける。

「これはいけません・・」

老紳士の眉間には皺が寄り難しそうな顔でそう言うと加奈子を見上げた。

 【第8章33話 プロフェッサー現る 終わり】34章に続く

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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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