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第8章 三つ巴 35話 菊沢宏間に合わず!連れ去られた美佳帆

第8章 三つ巴 35話 菊沢宏間に合わず!連れ去られた美佳帆

目隠しをされているせいで視界は真っ暗であった。

両手は後ろ手にされ、ワイヤーで縛られご丁寧に手錠までされている。

これでは生半可な筋力強化をしても引き千切るのは私の力では無理である。

縛られた手首や足首はうっ血しないギリギリで拘束されているため、ジンジンと鈍痛がするが、放り込まれた車の後部座席のシートは思ったよりクッションが良く、不幸中の幸いではあるが、腰掛けたお尻は痛くない。

車に放り込まれる時に張慈円の【放電】を受けながらであったので、そうとう暴れてしまいかなり乱暴に投げ込まれ暫く張慈円相手に取っ組み合い・・、と言ってもすでに両手を拘束されていたためさしたる時間稼ぎも出来なかった。

いまは後部座席に張慈円と、今しがた乗り込んできた張慈円の側近と思われる男に挟まれ後部座席の真ん中に座らされ、仕方なくとりあえずおとなしく座っていることにしている。

「ふん・・まったく・・やっと抵抗は無駄だと悟ったか」

私の左側に座った張慈円が、やや疲れた口調で呟いた。

「・・ボス、だいぶ苦労したようですね」

右側に座った声の低い男が、張慈円を気遣うように声を掛けているのが聞こえる。

「抵抗する相手を殺さんように、まして怪我をさせんようにとらえるのは想像を超える難しさだ・・・。なまじ手加減をしていては思わぬ反撃をもらい、ともすれば逃げられるなどという失態を侵しかねんからな・・・。おい、もう大丈夫だ。さっさと出せ!」

張慈円が低い声で運転席に座っているである手下に指示すると短く「了解」と答えた声がした直後に車が動き出す。

茂みに隠れていた際、張慈円の声が聞こえたものの数分後、私は張慈円に見つかってしまったのだ。

持っていた鉄扇で応戦し、張慈円の左手首に強かに小手打ちを決めたのであるが、さしたるダメージを与えた様子もなく、逆に鉄扇に掴まれ【電撃】を流され手放してしまい、鉄扇は奪われてしまった。

「ふん・・鉄扇か・・。味なものを使う」

張慈円は私から奪った鉄扇を広げたり仰いだりしている様子であったが、カチン!と勢いよく扇子を閉じる音を響かせたかと思うと、ホットパンツからむき出しの太ももを突き、膝頭から上へゆっくりとなぞるように滑らせた。

「・・・・!」

自分自身が使っていた武器で太ももを撫ぜられるという愛撫に使われてしまう屈辱で、血が沸騰しそうになるが、股間が、そして胸もがそれ以外の期待に反応をしめしてしまう。

はしたない反応を敵に悟られないよう、無言を貫き、口を真一文字にして、鉄面皮を作り上げ、鉄扇から与えられる甘美な感覚を表に出さぬよう押し殺す。

「ふん・・無様なものだな菊沢美佳帆・・。俎上の鯉とはまさにこのこと。・・貴様は油のよく乗った鯉だ。・・俺自身が相手をしてやれんのが残念だが・・」

張慈円は私の太ももを相変わらず鉄扇で撫ぜながら、徐々に太ももの上部に近づかせつつもなお続ける。

「そうそう・・・貴様の部下の斉藤雪、伊芸千尋・・・どちらも極上だったぞ?・・あの二人はもはや普通の男では満足すまい。・・・奴らから何をされたのか聞いたのであろう?送った映像はどうであった?お前もこっそり保存して使ってもよいのだぞ?くはは」

張慈円の挑発だと分かっていても、その下品な発言につい身を乗り出し、目隠しをされたままではあるが張慈円のほうに向き視界は真っ暗であるが睨みながら言う。

「スノウやお嬢がどれだけ悔しかったか!・・・私を攫っても宏達がすぐに助けに来るわ!宮コーだって黙っちゃいない!・・張慈円!いくらあなたの腕が立っても、もう時間の問題なのよ?!覚悟することね!あなたは謝ってももう許してあげないわ!」

身を乗り出した瞬間から張慈円とは逆方向に座っている側近らしき男に後ろ手の手錠を掴まれ動きを止められてはいたが、そこまで言い放ったところで張慈円が「ふん・・」と鼻で笑った。

「菊沢美佳帆・・。ホットパンツまでシミが広がっている姿でそんなセリフを言っても滑稽なだけだぞ?」

「え?」

目隠しをされているせいで自分では確認できないが、まさかそんな恥ずかしいことになっているとはと思い、間の抜けた声を上げてしまう。

「自分では見えんし、自分の発した匂いには気づかんものなのか?」

その次の瞬間、張慈円は嘲笑気味にそう言うと、鉄扇で私の股間を軽く打った。

「ひぃ!!・・っく・・・ぅぅうううう!!んんん!!」

狭い車中に中腰で立っていたのだが、股間を鉄扇で軽く打たれただけで逝きそうになり、お尻を後ろに突き出し必死に逝くまいと耐えようとして、恥ずかしい声を上げてしまう。

「ふはははっ、宮コーの連中は全滅したらしいぞ?・・それにしても、たまらん牝反応だな。どうだ?自分の武器で感じさせられるのは?・・劉、年増女のデカい熟れた尻を押し付けられ大変だろうが少し我慢しろ。ふははは」

「そんな?!宮川さん達が・・まさか・・!」

張慈円が愉快そうに笑う声がすると、パシン!という音が私の股間から聞こえた。

「・・ひぃあ!・・・だ、だめ!!んんんんんんんんぅ!!」

媚薬に犯された身体と脳は、宮川さんたちの心配を押しのけ、鉄扇での軽い一撃、ただそれだけで浅く絶頂に達してしまい、前かがみでお尻を右隣りの男に更に押し付け、荒い吐息を激しく吐いている顔は、目隠ししたままであるが髪の毛を掴まれ、張慈円の顔の目の前でじっくりと観察されている視線を感じる。

「ボス・・この女もうすごく濡らしてますね。匂いがすごいですよ」

ヒップを押し付けている男からそう言われ、逝ってる途中ではあるが重ねて羞恥心を煽られる。

さっきからこの男は私が膝を閉じないよう、張慈円が叩きやすいように私の膝を掴んでいる。

「ふん・・・まあ、お前は人質であるが、その前に慰み者だ。だが、相手は俺ではない。お前に【媚薬】という呪詛をかけた本人が相手を所望しているのでな。これ以上俺からは可愛がってやれん。その状態では辛いだろうが、しばらく時間がかかる。疼いた身体で浅く逝っただけでは満足できんだろうが、もう・・そうだな小一時間かかる・・。それまで我慢しておれ。ふふふ・・、気の利いたおねだりができれば俺や劉から触ってもらえるかもしれんぞ?ふははははっ」

張慈円が愉快そうに笑い、私のことを蔑んでいる声が聞こえるが、浅い絶頂間に身を振るわされ、満足できない窮屈な快感で身体をくの字に折り曲げ痙攣させてしまう。

自分自身の武器で刺激され絶頂を与えられるという屈辱にまみれながらも、浅くしか逝かせてくれない張慈円を怨めしく思い、美佳帆は媚薬に犯された身体を捩らせ、絶頂した顔を観察され身を捩る。

「くくく、浅ましいな。・・・そう発情せんでも、もうしばらくしたらたっぷり可愛がってもらえるぞ?ふふふ」

そう煽られると、無理やり座らされ張慈円と隣の男に片方ずつ膝を掴まれ、限界まで広げられる。

両手は後ろ手で、足首も拘束されたままの美佳帆は蛙のように脚を開かされ、恥ずかしくも染みを広げた部分のホットパンツの上から、弄ばれる。

「到着するまで退屈しなくて済みそうだな・・くくく」

淫卑な香りを充満させた黒塗りの高級車は、その車中に淫卑な香りと、熟れた身体を弄ばれ、いいように上げさせられた美佳帆の嬌声で溢れていた。


菊沢美佳帆が脚を開かされ胸を揉みしだかれながら鉄扇での2度目の浅い絶頂を味わったちょうどその時、菊沢宏は能力を全開で開放し一人先んじて大塚の隠れ家マンションまでたどり着いていた。

「美佳帆さーーん!」

よほど全速力で走ったのだろう。夜だというのにトレードマークのサングラスは外さず、普段のむすっとした表情とは違い、焦った表情に大粒の汗を滴らせ、ぜいぜいと息も切らせながら、エレベーターを待つのももどかしく、非常階段で一気に2階まで駆けあがり愛妻の名前を呼ぶ。

宏はめちゃめちゃに散らかった大塚の部屋の扉や室内の惨状に一瞬顔が怯むが、部屋に入ったすぐのところで蹲っている斎藤アリサが目に入り駆け寄る。

「アリサ!大丈夫か?!・・脚やられたんか?・・・すまん!こんな目にあわせてしもて・・・・ん?血は止まっとる・・・?・・なんでや・・?」

宏は部屋に敵が潜んでいないかを五感を研ぎ澄ませて警戒しつつも、素早くアリサが蹲っているところまで駆け寄り、優しく肩を抱きながら声を掛ける。

アリサの右足首には血がべったりと付着していたが、すでに渇いて凝固しており、新しい傷は見当たらない。

「あ、あのね・・所長。私は大丈夫。知らないおじーちゃんに、なおしてもらったの。・・傷はふさがったんだけど、頭フラフラして上手く動けなくて・・・。それより、二刀の女と真っ白い悪趣味な服着たやつらがいてね。二刀女が引きずって屋上に行った・・」

「ちょっと待て!落ち着けや!それよりも、みんなは?美佳帆さんは?!・・みんな屋上なんやな?」

宏は、意識はあるようだが、一度に説明しようと慌てているアリサをできるだけ落着かそうと質問を簡潔にして問いかける。

「ううん、ちがう。私たちが防いでる間に美佳帆さんはベランダから避難したの。屋上にいるのは二刀の女たち・・。私と真理さんはそいつに斬られて・・。真理さんも治してもらってたから死んでないと思う。加奈子さんは白い悪趣味な奴と勝負って言ってて、でも、支社長さんは大怪我させられて連れてかれちゃった。・・そのとき二刀女が屋上までこいつ連れて行くのダルいって言ってたから、きっと屋上にいると思うの」

「そ、そんなあほな・・壊滅的やないか・・!く、くっそー・・!屋上からビル伝いに移動する気か・・それともヘリでも呼んでんのか・・・?」

見た目通りの悪い状況に、宏はギリリと歯ぎしりの音をさせ、太く逞しい拳を自身の手のひらに打ち付けた。

「アリサもそんだけ血が流れてしもたんなら動けんで当然や・・。やが、もうちょっとしたらテツとモゲがくる。それから公安の奴らも来よるはずや。それまで、一人にするけど勘弁してくれや?」

「うん・・大丈夫。でも、所長気を付けて・・・・あの人たちとんでもなく強い・・!」

普段の無邪気なアリサの面影はなく、目を伏せ小刻みに震えながらそう言う姿からよほどのショックを受けているのであろう。

「どこのだれか知らんけど後悔させたる。・・・まかしとけや。本気出したら俺も実はとんでもないんやで?」

抱いていたアリサの肩を一度だけ優しくポンと叩くと宏は極力優しい声でアリサにそう言って、奥の散らかったリビングに目を移すと、壁を背に脚を投げ出した格好で俯いている神田川真理が目に入った。

真理自身が流したのであろう血だまりの中にぺちゃりとお尻を付け、目を瞑っているが、光沢のあるアーマースーツに包まれた豊満な胸は微かに上下に動いていた。

「くそ・・・側近がこのザマや・・・。もう一人のじゃじゃ馬のほうの側近は、まだ屋上で戦こうとるんか・・?・・・真理さんよりあのじゃじゃ馬が戦闘寄りな能力なはずやが・・じゃじゃ馬子一人で持たしとると期待するしかないな・・」

宏は真理の首筋に手を当て体温と脈を確認し安心すると、美佳帆を探そうとベランダのほうに向かう。

「アリサ!美佳帆さんはこっから飛び降りたんやな?」

アリサはいまだ顔色が戻らないが極力表情を強く保ち、ベランダから身を乗り出しながらこっちを振り向いて聞く宏に、力強く2度頷いて見せた。

「よっしゃ・・!」

アリサの点頭を確認し宏がベランダを飛び越えようと、身を乗り出しかけたとき、丸太のような太い宏の腰に何かが巻き付いた。

「ま、まって・・」

傷はふさがっているが肩口と首から噴き出した血で全身を染めた神田川真理が縋るように宏の腰に手をまわしてきたのであった。

「神田川さん・・。意識あったんか。言いたいことは想像できるけど、俺は美佳帆さん探しにいくで?」

そう言うと宏は腰に回された真理の血まみれの手を振りほどこうとするが、力尽きかけた女の力とは思えない強さで真理はしがみついてくる。

「さ、佐恵子を・・助けてください。屋上で・・たぶん加奈子が一人で戦ってます・・。きっと加奈子ならまだ持ちこたえてます・・。おねがい・・。佐恵子を失ったら、おしまいだわ・・・」

敵の斬撃を背後から受けたせいで、真理の黒く艶のある髪は首の中ほどでバッサリと切られており、顔色に血の気もなく意識を保つのがやっとといった様子のであったが、息も絶え絶えに訴える様子は宏であっても美しいと感じさせる魔力があった。

宏は愚直に美佳帆一筋である為、真理の魔性の魅力に当てられたわけではない。

しかし、宏はグラサンを右手の人差指で押し上げながら真理の目の前に跪いた。

「・・・美佳帆さんの安否は?さっきから連絡とってるんやけどつながらへん。あんたらで捕捉できとるんか?」

宏が極力ある感情を抑えようとしている様子を感じ取った真理は、同時にこの男には御為倒しは逆効果と感じ取っていた。

真理はひと呼吸おいてから、口を開くことにし、正直且つ簡潔に答えることにした。

「・・・ごめんなさい」

真理はグラサン越しに宏を見つめ、申し訳なさそうにそう言った。

目の前の宏は無表情ではあったが、怒りが膨張しているのが真理には感じられた。

「でも所長!美佳帆さんは麗華ちゃんも一緒だよ!きっと大丈夫」

宏の怒りを感じ取ったのは真理だけではなく、アリサが宏の背に向かって真理を庇うように情報を補足する。

「・・お願いです。佐恵子を・・・私も、行きます。・・この服は斬れない素材だから・・盾ぐらいにはなれます・・私を引きずって行って使ってください・・」

真理は宏の腰にしがみつきながらなんとか立ち上がり、屋上へ向かおうとふらつく足取りでリビングから玄関へ向かおうと歩き出し、3歩と進まないうちに血で濡れた床に脚をとられ、滑り転び、血の跡だらけのフローリングに強かに倒れ落ちた。

「わかった・・・。麗華も一緒なんやったら、二人ともいっぺんにやられるなんてことはそうそうないやろ・・。真理さん、あんたは休んどき。そんな体で来られても足手まといやしな。・・屋上には俺が行ったるから」

宏は、滑りこけた真理に肩を貸し、アリサの隣に並べて座らせると、ぶっきらぼうではあるが真理の要求にこたえる旨を伝えた。

「・・あ、ありがとうございます。恩に着ます」

真理の謝辞を背で受けると、真理とアリサを部屋に残し部屋を飛び出し、一気に非常階段を屋上まで駆け上がる。

途中階段の至る所に血痕があるが、おそらく大怪我させられたらしい宮川支社長のものだろうと推測しながら、屋上階に近づく前から足音を完全に消し、屋上の様子を五感で警戒しつつ階段を上がってゆく。

そのとき、黒い影が非常階段の共用灯の淡い灯りを遮り、宏の真上に躍り出た。

「な?!」

(アホな!この俺の気配に気づいたんか!?)

宏は、先手で頭上を取られたせいで些か慌てたが、一瞬だけだが見えたシルエットと動き方で正体が判り、相手に戦意が無い旨を伝えるよう、黒い影に向かって制止するよう軽く手を上げた。

「・・・っ!・・・グラサン!・・よかった・・。また敵かと思ったの。驚かせてごめん」

カンッ!と金属製の手すりに股を割り、両足で着地した稲垣加奈子が驚きと安心を同時にその美しい顔に浮かべ、突き出そうとしていた青白く力強いオーラを纏った手を止めたまま制止した。

「ええよ。・・もう上には敵はおらんのかいな?敵は二人以上いたんやろ?全部あんたがやったんか?」

「・・・・違うけど、敵はもういないわ」

宏が手と頭を振り、加奈子に説明を求めるように促すと、今度は加奈子の顔は悔しさと悲しさが混ざった表情に変わり、非常階段の手すりから飛び降りた。

「どういう事や・・?」

「説明する。こっちへ・・・支社長を護衛しないと・・」

宏は少し前に降りた加奈子の背に質問を投げかけると、二の句を次ぐ前かに加奈子に遮られてしまった。

前を加奈子に先導されながら、屋上を数歩歩いたところで、屋上の中心部にある塔やを背にして座っている血まみれで目を瞑っている宮川支社長がいた。

しかしそれよりも目についたのは宮川支社長の前にいる人物である。

そこには、懐かしい人物が膝をつき佐恵子に向かって治療の淡い緑色のオーラを灯していた。

「しっ師匠!!・・栗田教授ですか?!」

宏は思わず恩師である懐かしい人物の名前を呼び駆け寄る。

「お、お~、随分と久しぶりですね宏君。やっときましたな・・。老体に鞭を打ってなんとかしのいだところですよ。まあ、いまこのお嬢さんを治してますから、ちょっと待ってくださいね」

宏のほうを振り返り一瞥しただけで、すぐに佐恵子に向き直り治療の灯を強く発光させながら、弟子との再会の会話もそこそこに治療を続ける。

「師匠・・・。こっちにきてくれてたんですね。助かりました!」

栗田は背中越しで弟子の声を聞きつつも、傷の深い佐恵子の治療に集中していて応えることはしない。

「・・・いけませんって言ってたけど、なにがいけないんです?支社長は治るんですか?!」

稲垣加奈子は栗田が治療前にいったセリフが気になり、治療中にもかかわらず栗田に話しかける。

「お静かにお静かに。少し集中させてください」

栗田は治療の灯を絶やさず、加奈子に振り返らずにそれだけ言った。

「・・わかりました。すいません。静かにしてます。お願いします・・・」

加奈子はそれ以上何も言えず、宏と二人並んで、栗田が治療を終えるまでの数分間無言でじっと待っていた。

「やれやれ・・・。来日早々働ぎ過ぎですな・・。たっぷりと追加報酬をいただかなくては・・」

栗田は肩をぐるんと回し、額を手のひらで拭う仕草をすると、本当に疲れたといった感じで呟いた。

栗田の手先から、淡いが力強い緑色の灯が消えると、あたりは外灯の頼りない光だけに包まれる。

「どうです?支社長は治ったんですか?!いけませんって言ってたけど大丈夫でしたか?なにがいけなかったんですか?!」

それまでじっと動かず周囲に注意を払っているだけの加奈子が、栗田の横に駆け寄り跪いて栗田と佐恵子の顔を同時に見ながら慌てた様子で栗田に問う。

「もちろんです。随分深い傷ではありましたが問題はないでしょう。貴女も私の治療中、周囲を警戒していてくださってありがとうございます。・・・いけませんと言ったのは、・・これですな・・、このお嬢さんのバストサイズですな・・はははは」

加奈子のほうを向きにっこりとした笑顔で優しくそう言いい、本気とも冗談ともとれない発言をして笑うと、加奈子の肩を優しくたたいた。

加奈子は徐々に顔色が良くなっていく佐恵子が回復していっているのは解っていたが、栗田の言葉を聞いて改めて安堵し、大きく息を吐き出しその場にへたり込んだ。

「ありがとう。よかった・・・」

加奈子は栗田に一言そういうと、緊張の糸が切れたようで、正座を崩した格好のまま動かなくなった。

「師匠!お疲れ様です」

「いえいえ、宏君もなんだかすごく汗びっしょりですねえ。私も老骨に鞭をうちましたよ」

脅威が去り、一命を取り留めた佐恵子と、力を使い果たして動けないでいる加奈子に栗田はジャケットの上着を佐恵子にかけ、ジャケットの中に着こんでいたストールを加奈子の肩に掛けながら宏を労う。

「・・・師匠はいつでも女性にお優しいですね」

栗田が身に着けていたジャケットやストールは宏のようにブランドに疎いものでもわかるほどの高給そうな一品であった。

それらを惜しげもなく汗と血に汚れた彼女らに優しく掛ける恩師の紳士ぶりを、宏は本心から誇らしく思い、見習うべきだと思ったからこその発言であったのであるが、

「幾つになっても、美しい女性に惹かれてしまいます。こればっかりはやめられませんからなぁ・・」

しかし当の本人は、宏の畏敬の念には気づかず、恥ずかしそうにして苦笑まじりにそう答えた。

【第8章 三つ巴 35話 菊沢宏間に合わず!連れ去られた美佳帆終わり】36話へ続く
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コメント
張慈円嫌い
スノウちゃんを凌辱した張慈円は嫌いです!宏にボコボコにやられれば良いのに。
2018/10/10(水) 21:05 | URL | まるお #-[ 編集]
まるお様
いつも千景の、一夜をお読み頂きありがとうございます。
斎藤雪、スノウを気にいってくださっていた読者様には、皆さま同じお気持ちだと思われますが、ストーリーの性質上、もうしばらくは張慈円は残念ながら暗躍し続けてしまうかと思われます。
スノウにも今後、再び活躍の場も与えたく思っておりますので、もうしばらくは張慈円も温かい目で見守ってやってください。
2018/10/10(水) 21:27 | URL | 千景 #-[ 編集]
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筆者紹介

千景

Author:千景
訪問ありがとうございます。
ここでは私千景が書いた小説を紹介させて頂きたいと思います。
ほぼ私と同年代の既婚者が主役のものになるかと思います。登場人物同士が
つながりを持っていて別の物語では最初の物語の主人公が脇役を務める様な
小説全体につながりを持たせ想像を膨らませていけたらと思っております。
どうぞ宜しくお願い致します

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